
システムの高度知能化
本クラスタでは、実世界やインターネット上の仮想社会におけるテキスト、音声、画像、時系列データ、サービス利用履歴、プログラムなどの様々なメディアや人間の行動によって生み出されるデータの解析と生成、提示、支援に関する研究を行います。一方で、メディアやデータ固有の問題に拘ることなく、「学習」「識別」「検索」「変換」など、共通する情報処理の枠組みを探求し、情報処理システムの高度化と知識化を目指します。
研究分野

人間の視覚に関わる知的システムへの情報の入力と人間への提示、そしてそれらを統合したシステムに関する研究を行っています。本グループでは、特に視覚に関係する計算幾何学、画像処理やパターン認識をコア技術として、光投影を用いた拡張現実感である空間拡張現実感を専門的に研究しており、近年注目されているプロジェクションマッピングやデジタルファブリケーション(3D プリンタの応用)などの応用研究にも取り組んでいます。

Web空間の中の情報や構造、人間の行動を分析して有用な情報を抽出することで、情報探 索行動の効率化に役立てるための研究を行っています。本研究グループでは、特にTwitterやブログなどのソーシャルメディアにおける情報伝播現象に注目し、ソーシャルネットワークの情報伝播のネットワーク分析?時系列分析、情報伝播モデル、情報信頼性判定などの研究を行っています。さらに、東日本大震災時でソーシャルメディアが果たした役割を明らかにすることで、将来的な災害情報支援に役立てる研究もおこなっています。

ソフトウェア開発の生産性および品質の向上を目的として、ソフトウェア開発時に蓄積される様々なデータ(コード変更履歴や不具合修正履歴など)を対象としたデータマイニング技術(リポジトリマイニング)について研究しています。具体的には、コードクローン検出や不具合検出、不具合の自動修正についての研究、開発チームやタスク割当の最適化手法などを研究しています。また、リポジトリマイニングを支援する環境(図)の構築にも取り組んでいます。

人によって文章の書き方に癖があるように、プログラムも実装方法に開発者の癖が含まれます。プログラム解析は、開発者が実装したプログラムの構造、振る舞いを解析し、プログラム開発に有益な情報を抽出するための技術です。本研究室では、Web上に膨大に公開されているソフトウェアを開発者が目的に応じて再利用?改良し、新たなソフトウェアを実装、公開する生態系(ソフトウェアエコシステム)を効果的に循環させるための研究を進めています。開発者が実装した再利用性の高い、高品質なプログラムの実装方法を確立する研究として、プログラム解析?機械学習、等を用いた、再利用ソフトウェアの推薦、ソフトウェア協調開発支援ツール、プログラム添削技術の研究に取り組んでいます。
担当教員
氏名 | 役職 | キーワード |
---|---|---|
天野 敏之 (アマノ トシユキ) |
教授 | 拡張現実感、プロジェクタカメラ系、視覚補助、光学演出、質感 |
大平 雅雄 (オオヒラ マサオ) |
教授 | リポジトリマイニング、オープンソース、品質改善、プロセス改善 |
風間 一洋 (カザマ カズヒロ) |
教授 | Webマイニング、情報検索、自然言語処理、ネットワーク分析、機械学習、ソーシャルメディア、食情報処理、学術情報処理 |
伊原 彰紀 (イハラ アキノリ) |
准教授 | ソフトウェア工学、ソフトウェア品質評価、プログラム解析、プロジェクト管理、オープンソース、データマイニング |
陳 金輝 (チン キンキ) |
准教授 | 深層学習、パターン認識、画像処理、音声情報処理、自然言語処理 |
堅田 俊 (カタダ シュン) |
講師 | マルチモーダル情報処理、感情認識、対話システム、機械学習 |
菅間 幸司 (カンマ コウジ) |
講師 | 深層学習、パターン認識、DNNモデルの圧縮と実装、画像認識、画像検索、その他機械学習全般 |
吉川 次郎 (キッカワ ジロウ) |
講師 | デジタルライブラリ、ソーシャルメディア、学術情報流通、図書館情報学、計量書誌学/科学計量学 |